料理の見た目にこだわりますか!?論争
BSディム。西に住むオカマ。5年以上彼氏がいない。
童話。東に住むノンケ。20年以上埼玉に住んでいる。
飲食店について
飲食店について、思うところがあるんですよ。聞いてください。
突然どうしたのよ?しょうがないわね、聞いてあげるわよ。5秒以上は聞かないけど。
5秒でいいます。何でオシャレな店はどこも「見た目にこだわりすぎる」んだ!!
読むのに10秒かかったわ。
オシャレな店なんだから、見た目もこだわるのは当然じゃない?またアンタは訳の分からないことを言って……。
この短文を10秒かけて読むようなポンコツには分からないと思いますが、見た目にこだわることで様々な「弊害」が生まれていることに無自覚な気がするんです。僕に好き嫌いが多いので「カラフル」はすなわち「嫌いなものがある」になってしまうのですが、そこは僕自身の問題だから目をつぶるとして、あの「食べづらい」に関しては何とかしてほしいです。
何を言ってるのよ。別に見た目がいいからって食べづらさを犠牲にしてるわけじゃないわよ。
見た目に重きを置きすぎて食べづらくなっちゃった料理って、例えばどんなものがあるのよ?
例なんて腐るほど出せるのですが、卑近なのは「フランス料理」ですね。何ですかあの点在したソースは。あとやたら色とりどりの野菜を詰め込んだサンドイッチ。どうやって片手で食べろっていうんですか。サンドイッチ伯爵が見たら呆れますよ。
フランス料理のソースはお刺身の醤油みたいなものなのよ。シャーレみたいな皿に適当にソースが入ってるよりは、料理が際立つソースの配置にしたほうが、より食欲をそそるわよね。あと、サンドイッチは入れる野菜の量の問題よ。別に色とりどりの野菜を使っても、量によっては普通に食べられるわ。
料理ってのはね、見た目にこだわらないと、それこそ”味気なく”なっちゃうのよ。食の楽しみは味だけじゃないのよ。
僕はですね、「パッと見食べやすい」っていうのも見た目だと思うんです。さあ食うぞ~みたいな気分にならないんですよ、綺麗すぎる料理は。お寿司が大皿の真ん中にひとつポツンと乗ってて周りに薄く延ばされた醤油がアーティスティックに模様を描いていたら「さあ食うぞ~」とはならないと思うんですよね。
刺身には刺身の見せ方ってものがあるのよ。フランス料理にはフランス料理の見せ方がある。例えばお刺身でも、最初から醤油が刺身の上にかかってたら食欲も失せると思わない?たとえ板前さんが「私が一番おいしいと思える醤油の量を先にかけておきました」と言ったとしても。とっても食べやすいけど、見た目は最悪よ。
そういうお寿司もありますよ。タレだか刺身醤油だかを刷毛かなんかで塗って提供する。見た目に関しては何の感想も抱きませんでした。美味しかったです。
いま寿司の話をしてんじゃねぇわよ!!自分ひとりで料理を楽しむだけなら、味についてだけ気を遣えばいいのかもしれない。だけど、料理とは食事のためにあるものであって、食事自体を楽しめなきゃ意味がないわよね。だったら、味だけでなく、見た目も華やかで美しいほうが、食事が楽しくなると思わない?
うーん、そこが分からないんですよね。別にトンカツ定食にプチトマトがなくたって、サラダが真緑だって、ソースでアート描かなくたって、美味しそう!と感じるんですよ、僕は。優先度が低い。
翻って食べにくさ。これに関してはストレス度合いが高い。食べにくい料理はそれだけで楽しくなくなります。もっと言うと、ビジュアルが「食べにくそう」な時点で食欲すら減ります。
アンタ、本当は大飢饉に見舞われた江戸の農村からタイムスリップしてきたでしょ。 飽食の時代だからこそ、見た目に重きが置かれるようになったのよ。一定以上の味のクオリティは当たり前で、そこからさらに美味しそうに見せる、さらに食事を楽しむ。そういう時代になったのよ。
理屈は分かるんですよ。でも、何で「食べやすさ」の時代は来ないのかって話です。
色鮮やかなやつだけじゃないですよ。ステーキとかも、あんなに厚くしてどうやって食うんですか。パンケーキ、あんなお城みたいにしてどうやって食うんですか。そういう「見た目」なら俺はいらない、っていう話です。江戸の農村で大根食べて暮らします。
来ねぇわよそんなディストピア感あふれる時代。
味・見た目・食べやすさのどれを優先しているかによって、料理の満足度が変わってくるってことよね。そして、それらはさらに細かなジャンルに分かれている。たとえば見た目を優先している人でも、デカすぎるステーキやパンケーキが美味しそうだと感じる人もいるし、私もそうだけど、品のない見た目だなと思う人もいる。
すべての人を満足させられる料理なんて存在しないってことよね。料理人は自分自身を指標にするしかないのかしらね。
そうやってオカマはすぐまとめようとする。いいでしょう、真理に近づいた気がするので、実践的な議論に移ります。
おもてなしの精神
今までの問題は、ひとりで自由に過ごす食事においては、結局のところ些末な問題なんですよね。顕在化するのは、知人あるいは恋人との食事。接待なら価値観の違いなんて完全に我慢するけど、知人や恋人なら少しくらい我を通したい。例えばディムさん、仲の良い人と食事で揉めたことありますか?
揉めたこと?イケメンの雄っぱいを揉めた食事はいっぱいあったわ。
まだオチに向かうには早すぎます。真面目に答えなさい。
チッ、 揉めたこたぁないわよ。
そうなんですね。では、相手の店選びに不満を抱いたことは?
うーん、ないわね。イケメンに抱かれたことなら……。
話が通じない相手だな……。
じゃあディムさんが飲食店をセッティングする場合、奢ると仮定して価格は脇へ置いておいて、重要視するのはどういった点ですか?
料理、店員、店の雰囲気よ!
その「料理」には、やはり見た目も?
そうね。当然、見た目も含めるわよ。おもてなしの料理がスラム街のドブみたいな見た目だったら、食欲も失せるでしょう。ブスなオカマ仲間くらいしか一緒に食事をする相手がいないから、せめて料理くらいは綺麗なものが食べたいのよ。
では、そこで見た目がよくて美味しい良い感じの料理が出てきたとして、それが完全に食べづらかったら萎えませんか?
うーん……それは確かにそうだけど、童話くんが言ってるのはレアケースすぎて想像がつかないのよね。多少の食べづらさは味と見た目が良ければ気にならないわ。
例えばカニ。とっても食べづらいけど、別にそれでテンションが下がるわけじゃないわよね。でも、お気に入りの日本酒を安っぽいプラスチックの色つきコップで出されたら、お猪口より飲みやすかったとしても嫌でしょう。
料理は五感で楽しむものなのよ。まずは五感が優先されるのは必然だと思うわ。
お酒の例を出されて急に納得しました。確かにプラスチックのフルート型グラスで乾杯したときまったく美味しくなかったのを覚えています。見た目大事!!料理は五感で楽しむものですね。
あっ!酒の話で急にしおらしくなった……!!
昔、お高いフレンチレストランでアルバイトしたことがあるんだけど、料理人もウェイターも、とにかく楽しく食事をしてもらいたい一心だったわ。食べやすさもそうだし、見た目もそうだけど、もてなしの精神が料理を美味しくさせているのかもね。
いい感じにまとめましたね。僕も「もてなし」は大切だし、その精神あってこその飲食だと思ってます。だからこそ、見た目と同じくらい「食べやすさ」にも気を遣ってほしい、そういう願いなんですよ。
オカマ仲間とキムチ鍋を食べるときは、毎回お豆腐の奪い合いになるから、グッチャグチャに箸が乱舞して見た目も最悪な上に食べづらさも最高潮に達するけど、1人でもイケメンがいればすべてが許されるものね。そういうことよね。
結局「見た目」が大事なのかよ!!
編集後記(童話)
どうも、久しぶりの更新です。こんなペースになってくると思います。お互い忙しいのです。主にオカマが遅滞する原因ですが。
さて、皆さんは飲食店の「見た目こだわりすぎ問題」についてどう思いますか。僕はブログの中では納得した形になっていますが、あれは半分ヤラセみたいなもので、実のところ1ミリも納得していません。マジで食べにくくするぐらいなら見た目にまったくこだわらなくていいと思っています。でも女性(オカマ)の共感は得られないんだろうなあ、と思う今日この頃です。オシャレなフレンチがいいんだろ!?
下にディムさんオススメの「見た目にこだわる」料理本と、論争ということなので「論理力」が鍛えられる本を貼っておきます。僕の二の舞にならないように、皆さん、論理力をトレーニングしておいてください。
・本日の教訓
酒の喩えはズルい