浅草優遇されすぎ問題 (東京旅行の感想 その3)
BSディム。西に住むブスなオカマ。身長は178cmとそこそこデカい。
童話。東に住む童貞っぽい大学生。弱い相手には態度がデカい。
浅草の感想
12月頭に敢行した東京旅行、三日目は浅草でした。神谷バーと尾張屋、さらに浅草寺と伝法院通りに行きましたね。全体の感想からお願いします。
あら、そんなに色々行ってたのね。街じゅうにいる人力車のお兄ちゃんに終始見とれてたから、どこを歩いたのかあんまり覚えてないわ。
童話くんは浅草にどういうイメージを持ってるの?
そうですね、僕は浅草を「とりあえず半日遊ぶなら」みたいな位置付けで見てます。さほど高い店はないですし、かと言ってワンダーランド感に乏しいわけではないですし。日帰り旅にもってこいだと思いますよ。
そうね、確かに半日遊ぶならいいかもしれない。下町情緒あふれる街並みを堪能しながら、浅草名物の食べ歩きをしつつ、雑貨屋をぶらぶら見てまわるの。名所名店がたくさんあって飽きないわよね。
あら? 意外と覚えてるわ。なにこれ。あっ! 人力車のお兄さんの"男を引き立てる背景"として街並みを記憶してるんだわ! 脳、すごい!!
「脳がヤバい」の間違いでは?
ただねえ、浅草は問題点があって。人が多いんですよ。あれ嫌ですね。
いいじゃない、人が多くたって。なにが問題なのよ?
人の母数が多ければ、それだけイケメンの発生率も上がるのよ。まぁ観光地だからか、地方からやってきたであろう熟年のお姉様方しかいなかったけど。
いや、いくら美女で溢れてようと、歩きづらいのはストレスなんですよ。特に仲見世通りは通勤時の埼京線くらい混むじゃないですか。あれだけ潤ってるのに横柄な店員も意味分からないし。浅草はクソです。みんな騙されてるんですよ。
いや、さっきまで『日帰り旅にもってこい』とか褒めまくってたじゃないのよ!
地方の私からすりゃ、あの雑多な感じもお祭り感が出てていいと思うけど。店員の態度も普通よ、普通。そりゃマッククルーとは違うわよ。
あれは「ブログの序文用」に無理して褒めただけです。
というか、浅草は「持て囃されすぎ」なんですよ。ビールと唐揚げ、寿司と日本酒みたいな。そりゃ楽しいし美味しい店もありますけど、行けば何とかなるほど最高な街ではないと思います。
なんなよのそのペルソナは……。
えらく浅草のことを嫌ってるわね。完全に観光地化してるんだから、そんなもんなんじゃないの?私の地元にも観光客相手に"盛ってる"場所があるわ。地元の人間でも使わないような方言を異様に強調してしゃべる露天商のおばちゃんがいるわ。
嫌ってるわけではありませんよ。ちょっと過剰に優遇されている現状を心配してるのです。
つまり、ディムさんみたいに「"盛ってる"と理解している」なら問題ないのです。無理解のまま無節操に浅草に行くと失敗しますよ、と、こういうことです。
そっか。もう行きたくなくなってきたわ浅草……いい街だと思うんだけどなぁ。
そういえば、浅草寺で引いたおみくじが私だけ凶だったわね。街に歓迎されてないのかしら? ツイッターで「浅草寺おみくじは日本一凶の出る確率が高いので大丈夫です」って言われたけどね。何が大丈夫なのか分からないけど。
逆に言えば「楽しみ方を知る」という点で、追究の面白さがありますよ。何度も何度も足を運ぶべき街な気がします。あからさまな観光地だからこそ、たまに見せる「生活感」を楽しみたいです。
「(そもそもオカマは仏と無関係だから)大丈夫です」ということでは?
えらく高尚な目線で浅草を見てるのねアンタ。私は"人力車のお兄ちゃんがたまに見せる「生活感」を楽しむには5回目あたりのデートでようやくかな"くらいにしか思ってなかったわよ。
優遇されすぎな言葉
オカマとの議論は平行線ですね。
ここでお話ししたいのは、浅草の楽しみ方というより「優遇されすぎな言葉」の方なんです。浅草散策はいくつもガイドありますから、僕らがする話ではないですね。
それを早く言いなさいよ。アンタはいつもそうなのよ。
優遇されすぎな言葉って、例えば他に何があるの?
流れっていうものがあるでしょうよ!
僕が気になっているのは「南の島でバカンス」です。みんな無批判に憧れすぎじゃないですか?
実際には蒸し暑くてベトベトするし、今まで見たことないような羽虫が口の中に入ってきたりするのよね。
でもアンタ、このまえ沖縄で周りが引くくらい南の島のバカンスを楽しんでなかった?
そうそう。優遇されすぎだからガッカリするんですよ
違います!俺は「南の島のバカンス」を現実的に捉えたうえで楽しんでたんです!
結局は楽しんでんじゃねぇかよ!!
私は『○○横丁』って言葉(名前?)が優遇されすぎだと思うわ。横丁って名が付いてる場所なら、提供される商品やサービスの質が悪くてもノスタルジーで済まされちゃう。
某所のラーメン横丁なんて雑巾みたいな色したタオルを巻いたオッサンが雑巾みたいな味のラーメンを作ってんのよ。でも、お店の壁には有名人のサインがたくさん飾ってあるの。誰もがヤフオクの利用を疑うレベルよ。
あ、わかってるじゃないですか。そういうことですよ。横丁もそうですよねえ。優遇されすぎ。実際大したことない汚い店の並びも、横丁って言っておけば格好がつく。
要するに「他の選択肢を消す」から嫌なんですよ。別に浅草の隣の駅にも美味しい店あるし、横丁の3つ横の道にもノスタルジーはあるんですよ。
そうね、優遇された言葉には、特別な素晴らしい体験を想像させる力があるわね。だから質が問われるし、想像を下回ればガッカリされる。
機能や価格の訴求を一切せず、使用時のイメージだけを伝えて商品を売る営業の戦術があるんだけど、それに近いかもしれないわね。想像は価値を生むのよ。
買ってもどうせ使わないのにね、しゃべる電子辞書。
そう、まさにそれを言いたいわけです。つまり「優遇されすぎな言葉」は、比喩とかたとえ話と同じで、レトリックにすぎない。営業はそれを「効果的に」使うことで、契約をとるんですよ。逆に言えば、受けとる方はレトリックであることを認識していないと騙される。
なるほどねえ。あんまり意識してなかったわ。そう考えると、いろいろなものに懐疑的になってしまうわね。
そう、この世の多くはレトリックなんですよ。
ローストビーフ丼はレトリック!!ローストビーフ丼はレトリック!!
絶対焼肉丼の方が美味しい!!
編集後記(童話)
クリスマスシーズンですね。シーズンインハンバーグ。僕はイヴに女性と浅草に行ってその日から付き合い始めたことがあります。浅草は何かと思い出深い街なんですよ。クリスマス臭もあまりしないのでおススメです。変わらない景色が浅草にはあります。でもちょっと優遇されすぎだろ!という思いで話を展開させました。どうですか皆さん、無理やりでしょう。まさにこれが「レトリック」です。
LINEでの会話をそのまま載せているので、どうしても更新ペースが遅くなってしまいます。代わりと言ってはなんですが、個人ブログを開設しました。当ブログの補足や雑感のメモに使っていくつもりです。そちらも是非。優遇されすぎな言葉についての所感も書きました。(優遇されすぎな言葉たち - 詳細は先程)
ちなみに浅草は、銀座線の4番出口から出るとウンコみたいなオブジェと喫煙所がお出迎えしてくれるので、他の出口から出た方がいいです。行けば何とかなる街ではない、それだけ覚えて帰ってください。それではメリークリスマス。
・本日の教訓
ローストビーフ丼はレトリック